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カラス 塩見川の川岸に写真撮りに出かけた時のこと、その日私は、いつになく沢山のカラスの鳴き声に迎えられた。気味悪く思っていると、道の真ん中に、一匹のカラスが落ちていた。 カラスを避けて、私は少し離れた所に車を止めた。 カラスたちの鳴き声は、すぐ傍の楠の樹の中から聞こえていた。その声は、あきらかにいつも聞く鳴き声とは違っていた。 そのうちに、一匹のカラスが舞い降りてきて、動かないカラスの傍に近づいた。そして、クチバシの先で、カラスを突くと、反射的に大きく後ろに飛びのいた。それはまるで、気味の悪いものにでも触れたかのような驚きようだった。カラスは、硬くつめたくなった仲間の体に触れ、そこにもはや命がないことを、瞬時に、クチバシの先で感じとったのだろう。 カラスは一時そこにいたが、やがて川向うに飛びたっていった。そして、その後を追うように、他のカラスたちも鳴きながら飛び去っていった。 道の上には、仲間に置き去りにされたカラスの死骸だけが残されていた。 その夜、姉にその日の出来事を話して聞かせると、若い頃、姉が見たという不思議な光景の話を聞かせてくれた。 その日、姉は田んぼに出かける途中、坂道を下りた先で、異様な光景を目にした。30羽近いカラスが地面に降り立ち、丸く円陣を組むように道を塞いでいた。その円陣の真ん中に、一匹の子供のカラスがいて、何かをしきりについばんでいた。見ると、そのカラスは一本足だった。姉が驚いたのは、取り囲んでいる他のカラスたちが、皆一様にその子ガラスの方に向いていたことだった。まるで子ガラスを見守るかのように、どのカラスも皆、中心に向って立っていた。 姉はその時の光景を思い出すたびに、今でも鳥肌が立つような不思議な感動を覚えるという。 カラスは鳥の中でも、一番人間に近い能力を持った鳥だと聞いている。だとしたら、彼らにも人が持っている喜怒哀楽の感情があるのだろうか。仲間の死を悲しんだり、弱いものを思いやる優しさ持ち具えているのだろうか。 昔、涙を流している兎を見たことがある。何年も飼っていた兎を幼稚園に連れて行くために、軽トラックの荷台に乗せていた時、兎のピーターの目から涙が流れているのを、近所の人たちと一緒に見た。 又、牛の競り市で、木に繋がれていた子牛の目から、綺麗な大粒の涙がポロポロ流れているのを、姉達は見たことがあるという。 動物が涙を流すことは信じ難いことだけれど、ながく人間の傍で暮らしているうちに、いつしかそれに近い感情が育っていったとしても、決して不思議ではないような気がするのだけれど・・・・・。 |
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| 内 容 | ニックネーム/日時 |
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お姉さんから聞かれたお話の中で |
スリムー 2012/01/29 20:19 |
スリムーさん、こんばんは。 |
ビキタロウ 2012/01/30 01:28 |
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