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カエルの歌

プロフィール

ブログ名
カエルの歌
ブログ紹介
おいらはビキタロウ。跳べない蛙。
大海を知らない井の中の蛙である。

小さな青空をいつも眺め、風の音に耳を澄ませ、風が運んでくる木の葉の便りに季節を知る。

深い井戸の中から見えてくる小さな世界。
風が届けてくれるやさしい歌を謳いたい。

                  
    
ビキタロウ(蛙の方言)
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筍の頃

2017/06/12 18:15
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 裏の土手には、5月から6月にかけ、クロ竹やコザン竹の筍が次々と芽を出す。捥がないでいると、一日に10センチも伸びていくので、見過ごすわけにはいかない。手の届かない所は、長い鍵棒で引き倒し、近くの筍は手で捥いでいる。筍を捥ぐ時、まだ若くてしなやかな茎は、ガギッという鈍い音をたて、いのちが弾ける感触が直に手に伝わってくる。それは爽快でもあり、どこか後ろめたくもある。
 筍を捥いだ日の夕方、ベットの上で休んでいると、突然電話が鳴った。慌てて受話器を取ろうとして、無理な体勢をした時、コキッという何かが弾けたような鈍い音がした。いやな予感がしたものの、麻痺した足は痛みを感じないので、そのまま気にも留めないでいた。
 しかしあくる朝、左足を見ると、膝の周りがパンパンに腫れあがっていた。腫れはだんだんひどくなり、そのうち内出血が始まった。出血はふくらはぎから太ももにかけて日を追って広がり、赤紫の地図を広げた。体温を測ると、7度5,6分の熱、次第に食欲もなくなってきたので、とうとう観念して、6日目の午後、病院に出かけた。
 果たして、レントゲンを撮ると、見事に骨折していた。膝の上、数センチの所に、白い亀裂の線が真横に走っている。写真を見ながら、先生はさらりと言われた。
 「きれいに折れていますね。」
 「あの…入院するのは、ちょっと無理なんですけど。」という私に、
 「そうですね。あなたの場合は、ギブスをすれば、床ずれを作る心配もあるし、治ったからと言って、後で歩けるわけでもないし、幸い痛みも感じないのであれば、このまま日にちをかけて、体の治癒力に任せて、ゆっくり直す方法をとった方がいいと思いますね。」
 「はい、ありがとうございます。」私は思わず先生に頭を下げ、お礼を言っていた。
 入院することになったらどうしよう。姉や浜ちゃんを残して、入院などできやしない、そう覚悟して、ヒヤヒヤしながら受けた診察だったから、先生のその一言がどんなにありがたかったか。
 「今度は、いつ診察に来ればいいんですか?」
 「もう来なくても、いいですよ。」
 「え、ずっと?」
 「はい、ずっと。」
 「治っても?」と言いかけて、慌てて言い直した。
 「あの、痛みがないので、どうやって、治ったかどうかを知ればいいのですか?」
 「腫れがすっかり引いたら、大丈夫ですよ。」
 先生の自信ありげな、半ば突き放すようなそっけない態度に、私はかえって安心感を覚え、ルンルン気分で診察室をあとにした。

 それにしても、人間の体は何とうまく出来ているのだろう。私の知らないところで、体は昼夜休みなく壊れた個所を修復し、突貫工事をやってくれている。私はその治癒力を信じて、ただ待ってさえいれば、時が解決してくれる。なんとありがたいことだろう。
 何よりも、日常の暮らしをしながら、治療できるのがありがたい。もし、入院することにでもなっていたら、不安や不便さでストレスは溜まるだろうし、筋力も落ち、回復するのに、もっと時間がかかったことだろう。
 骨折から3週間、今では内出血もすっかり消え、腫れも日に日に減っている。痛みを感じない私は骨折していることさえ、つい忘れてしまう。
 裏の土手には、今もまだ晩生の筍が芽を出しているが、骨折して以来、それを捥ぐ気にはなれないでいる。


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迫の明け暮れ

2017/05/12 18:48
3月に白い花を咲かせていた庭の野イチゴが、いつの間にか艶やかな真っ赤な実をつけていました。

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でも色づくのを待って、鳥たちがかたっぱしから啄んでいくようです。
イチゴの傍に、懐かしい白いあぶくを見つけました。子供の頃、そこにはホタルの子供が棲んでいると信じていました。それが、アワフキムシという幼虫の住みかだと知ったのは、大人になったずっと後のことでした。

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庭の植え込みの中で、時々見かけていたホオジロが、とうとう浜ちゃんの餌食になってしまいました。座敷に咥えてきたのを見て、思わず大声で叱ってしまったので、反射的に強く噛んでしまったのでしょう.。取り上げた時には、すでに虫の息でした。

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ホオジロは雑食性で、草の種でも食べるというので、きっと野イチゴを食べに来ていたのかもしれません。
鉢植えの黄色いバラを移植したばかりのすぐ傍に、オドリコソウの花と一緒に埋めてやりました。

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ある日、小雨の降りしきるなか、クロが濡れそぼった状態で、庭にやって来ました。

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濡れるのもいとわず、ゆっくりした足取りで歩いてくるクロの貫禄に、浜ちゃんはすっかり腰が引けています。
一度大喧嘩をして、こっぴどくやられて以来、クロは浜ちゃんの天敵になりました。

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ひさしの下の一段高い温水器の上に陣取っていた浜ちゃん。そこへクロが雨宿りにやって来て、洗濯機の上に腰を下ろしました。

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「浜ちゃん、下りておいで。お母ちゃんがついてるから。」
声をかけても、浜ちゃんは耳を伏せたまま、固まってしまっているようです。
雨が上がるまで、二匹は向き合ったまま、長いこと動こうとしませんでした。

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浜ちゃんが安心していられるのは、もはや屋根の上しかなさそうです。
「浜ちゃん、自分で降りてこんと、しらんよ。」
浜ちゃんの向こうに見えるのは、源氏山の麓に咲いた満開の桐の花。

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その桐の木に、初めてカラスが巣をかけているのを、最近、子供たちが見つけました。
大きな枝を上手に組んだ頑丈な巣です。
巣の端から、時々黒い頭やシッポの先が見えるので、たぶん卵を抱いているのでしょう。
今は丁度、桐の花の真っ盛り。桐の花は房状に咲くのだけれど、散るときは、一輪ごとに潔く、真っすぐ地上に向かって落下していく。きっとカラスの巣の上にも、その花びらは落ちてきて、そこら一面薄紫の花むしろを敷くことでしょう。はたして、何匹のカラスの子供たちが生れることやら。

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フォト日記<花一輪>

2017/04/22 18:03
久し振りに、塩見川の川岸を訪ねた。
そこにはコナラの林があって、秋には沢山のドングリの実が落ちる。
ドングリは柔らかな苔の絨毯の上に落ち、やがて鳥たちの餌になる。
ドングリの消えた苔筵の上に、今年最後の椿の花が、木洩れ日を浴びて美しいコントラストを見せていた。
椿の花は、枝に咲いていた時以上に、落花してなお一層、花一輪の輝きを見せる。

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一輪の花が似合う菫の花が、そこでも咲いていた。

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そこでは、何故かタンポポの花まで、一輪を好んで咲いている。

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ウズラの卵ほどの丸いものが、無造作に苔の窪みに転がっていた。鳥の卵?
親に見捨てられた卵は、もはや自ら殻を破って、新しい世界に出てくる元気はないだろう。

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山桜が咲き、川岸に浜大根の花が咲き始めると、大方の鴨たちは北へ旅立っていく。
何の訳があってか、わずかに残る居残り組をあとに残して。

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常連のカラスたちは、一年中ここを離れない。
ドングリだってあるし、ハマグリは食べ放題。高い所から岩の上に落とせば、簡単に食べられることも知っている。
その日も、番いのカラスが、川岸に並んで、遠くの鴨たちを見ていた。

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その時、二匹の目の前を、真っ白いシラサギが川面をすれすれに飛び去って行った。

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そのシラサギを追いかけて一匹が飛び去った後、もう一匹は杭の上に止まったまま、追いかけようとはしなかった。
「お前は、やっぱりまだあいつが好きなんだな・・・。」

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帰りかけて、ふと見ると、一匹のカラスが川岸に咲いた浜大根の花をしきりに眺めていた。
その花を摘んで、誰かにプレゼントでもするのだろうか。
そのカラスがシラサギに恋したカラスだったのか、それとも恋人にフラれた片思いのカラスの方だったのか、それは私にもわからない。

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フォト日記<春まだ3分咲き>

2017/03/31 22:35
咲き始めた菫やタンポポの花に飛んでくるモンシロチョウが気になって、浜ちゃんが畑に出てきました。
でも、猫の手に掛かるような、のろまな蝶々は1匹もいませんでした。

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馬鹿にされただけの浜ちゃんは、柿の木に登って、一休み。
「ここは、なんだかいい匂いがするな〜。」

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それもそのはず、柿の木のすぐ傍で、シキビの花が満開です。

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庭の隅では、今年大きな株に成長した野イチゴが、白い花を沢山つけている。
今年は、鳥たちに食べられるより先に、どれだけ収穫できるかな。

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浜ちゃんがモグラの気配をキャッチして、動く盛り土をにらんでいます。
でも、手が汚れるのが嫌なのか、モグラが美味しくないのを知っているのか、それ以上手を出そうとはしません。

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ある日、天敵のクロちゃんが、昼間からやってきました。
いつもは逃げ腰の浜ちゃん、めずらしく面と向かって向き合っているのは、2匹の間に、分厚いサッシのガラスがあるせいです。

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春先は、猫の恋の季節。
クロちゃんがいつもよりやつれて見えるのも、毎晩子作りに忙しいせいなのです。
「お前は、暇だからいいよなぁ。」
その一言に、浜ちゃんが一瞬うつむき、その背中が寂しく見えたのは、気のせいかな。

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用事を兼ねて、久しぶりに一人で散歩に出かけました。
満開の菜の花畑の向こうに、山桜が満開です。

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生まれたばかりの枇杷の実の赤ちゃんは、まだ柔らかな産毛に覆われています。

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久し振りに、浜まで足をのばすと、人っ子一人いない砂浜に、松の木の赤ちゃんだけが数を増し、背丈を伸ばしていました。

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松林の向こうのピグちゃんの小屋を訪ねると、あいにくお昼寝中だったので、声をかけずに帰りました。

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我が家にも、時を構わず、眠りを貪っている人がいます。
睡眠時間は、浜ちゃんといい勝負といったところです。

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ハルばあさんの古箪笥

2017/03/10 20:23
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 納戸の奥に仕舞われたままだった古箪笥が、この頃ようやく日の目を見た。数十年ぶりに座敷の隅に居場所を得たこの箪笥には、今頃の箪笥にはない落ち着いた風格と存在感がある。小さいながら、それぞれの引き出しには鍵がついてあり、まるで大きな金庫のようだ。欅で作られた引き出しは、いまだに少しの歪みもなく、出し入れもスムーズに出来る。引き出しの横板には、墨筆で、祖父が書いたらしい記録も残されている。買い入れ先は、「愛媛懸南宇和郡」。買い取り価格が拾円三十銭で、送り賃が15銭とある。
 この箪笥は、祖母が嫁に来るとき持って来た唯一の嫁入り道具だった。
 祖父母は、当時にしては珍しい恋愛結婚をしている。二人は同じ村に育ち、相思相愛の仲だった。しかし、親戚の娘との縁談を望んでいた曾祖父は、二人の結婚を許そうとしなかった。いつまでも許してくれない頑固な父親にしびれを切らした祖父は、しばらく祖母の実家に身を寄せていたこともあり、そのうちに母が生れた。曾祖父は仕方なく二人の結婚を許し、母が生れた翌年、出稼ぎ先の熊本で亡くなっている。そんな訳で、母の出生届は、1年遅れの1900年となった。
 母は、結局2000年まで永らえ、1世紀を生き抜いた。18、19、20世紀と、3つの世紀を生きたことになる。その頃はまだ、百歳まで生きる人は珍しく、長寿がもてはやされていた頃だったので、それぞれの市で祝い金が交付されていた。しかし、母は戸籍上では百歳にあと3か月足りなかったために、祝い金の50万をもらいそこねてしまった。
 姉の話では、祖父母はとても仲が良く、二人が喧嘩をしているのを一度も見たことがなかったという。貧しく育った祖母は、誰に対しても優しく、わけ隔てをしない人だった。乞食の親子が来れば、台所に入れてご飯を食べさせ、近所の子供たちは水浴びからの帰り道、ハルばあさんの握ってくれる味噌つけおにぎりを何よりのたのしみにしたという。
 実家の弟嫁が沢山の子供を残して亡くなると、祖母は、まだ3歳にもならなかった一番末の男の子を引き取った。彼は祖母を「おかか」と呼び、母を「あねさん」と呼んで育った。16歳の春、中学に入るために取り寄せた自分の戸籍簿を見て、初めて本当の生い立ちを知ったという。
 そんな祖母の愛情を誰よりも深く受けて育ったのは、やはり姉ではなかったかと思う。姉は、生まれると間もなくカリエスを患い、医者からは3歳までしか生きられないだろうと宣告されていた。そんな姉を、忙しい母に代わって、看護してくれたのも祖母だった。ギブスに入れられたままの幼い姉をあやし、首から濃が出止むことのなかった傷の手当てを毎日してやりながら、祖母は決して諦めなかった。鹿児島に評判の鍼灸医がいると聞きつけると、字も知らない無学の祖母が幼い姉を連れ、そこで半年間、治療を続けた。お灸の熱さに我慢できずに泣きじゃくる姉を懐に抱き、祖母は自分の乳首を咥えさせて我慢させた。涙と鼻汁でぐしょぐしょになった祖母の胸の感触を、姉は今でもはっきり覚えているという。
 姉は、終戦の年まで生きた祖母を最後まで世話し、看取った。そして箪笥は、その後、姉のものとなった。
 母と同い年のこの古箪笥は、一世紀以上に亘って、祖母や母、姉の人生とずっと寄り添ってきた。その引き出しには、私の知らない思い出が一杯詰まっている。その思い出を、祖母のおかげで、90年もおまけの人生を生きた姉が、頼りなくなった頭で引っ張り出しては、私に語って聞かせる。どの引き出しを開けたか、すぐに忘れる姉のことだから、同じ話を繰り返し、繰り返し聞かされる。まさに、耳にタコができるとは、このことだろう。でも、そのおかげで、私は、私の知らない祖父母に出会い、二人の存在を身近に感じるようになった。
 箪笥の上に飾られた二人の遺影を見ていると、この古箪笥の出現を誰よりも喜んでいるのは、やっぱりハルばあさんのような気がしてならない。、








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フォト日記<名ばかりの春>

2017/02/11 15:15
節分はとっくに過ぎたというのに、昨日は珍しく風花が舞った。
枝に止まった小鳥も翼を落として、心なしか寒そうに見える。

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寒風の中、モミジの枝に産み付けられた蟷螂の子供らが泡の布団にくるまって、冬の日差しを受けていた。

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寒さが増すにつれて、庭のくちなしの実は黄色く色づいてくる。
その昔、母たちはその実を使って沢庵に色を付け、子供たちは、手造りの独楽に塗りつけて、美しく化粧したものだった。

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垣根越しに、お隣のマロンちゃんが、こっちを見ている。
夏に切られた縮れ毛がまだ伸びきっていないので、冬用のコートを着せてもらっている。

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お隣の段々畑には、水仙の花が真っ盛り。その白と競うように、白椿の花も咲き始めた。

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小屋の上で日向ぼっこをしていた浜ちゃんが、隣の高い屋根の上に移ろうかと思案中。
「お日様に近いぶん、きっとあったかいぞ。」

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よっこらしょっと。ナイスショット。

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「やっぱり寒い日は、お部屋の中で、日向ぼっこするのに限るよ。」

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気の早いヤモリの赤ちゃんが、部屋の中に出てきた。
モミジjのような5本の指を広げて、しっかりと壁に張り付いている。
「指がかじかんで落ちないうちに、もうしばらく戸袋の中で、春を待っておいで。」

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フォト日記<冬来たる>

2017/01/21 22:39

我が家の庭にも、冬が来た。
中学校の国語の時間で習った高村幸太郎の詩を思い出した。
「きっぱりと冬が来た。八つ手の白い花も散り、銀杏の木も箒になった。」

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すっかり葉を落としたモミジの枝に、ミノムシがぶら下がっている。
口をしっかりと閉じた蓑の中で、ミノムシはどんな夢を見て、眠っているのだろう。

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モミジの枝には、一枚だけ残った最後の一葉が、冬空に真っ赤な色を映している。

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庭の隅に転がしているサンゴの石に、寄り添うように、カヤの木の赤ちゃんが芽を出している。
二人はそうやって、海の話と山の話を密かに交わしているのだろうか。

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一年近くほったらかしていた畑を、シルバーさんに来てもらって、きれいに草を払ってもらった。

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すると、きれいになった畑に早速、草の種や虫たちを探しに、ツグミがやってきた。

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それを狙って、浜ちゃんが狩りを始めたけれど、ツグミはなかなか捕まらない。
茶園株の向こうとこっちで、鬼ごっこ。
負けるのは、いつも浜ちゃん。

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畑の上で、見苦しい姿をさらしているのは、渋柿の実。
「いさぎよく、落ちるを厭う、熟れの果て」

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フォト<謹賀新年>

2017/01/01 21:05



         明けましておめでとうございます。





  今年も浜ちゃんとともに、よろしくお願いいたします。

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フォト俳句

2016/12/22 21:24
 
                   
         主なき                                          
           古巣に遊ぶ
               落ち葉かな 


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          鳥黙る
            残れる柿の
                あと一つ


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          蟷螂も
            日向を選ぶ
                師走かな


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        お留守番                                            
            花と目が合う
                 垣根越し
             
 
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         木洩れ日の                                 
                木の実に優し 
                     苔むしろ
                       

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フォト川柳

2016/12/12 23:08
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         猫と寝て
           かてりばんこの
                 あくびかな


 朝、私が目を覚ますと、添い寝していた浜ちゃんも、布団の中から、眠そうな顔を出す。目覚めてすぐの私の体は半ば酸欠状態で、すぐには起きだす元気がないが、間隔を置いて、5回、6回と大きなあくびを繰り返すうちに、体は徐々に覚醒してくる。どやら猫の体も同じらしく、私のあくびにつられて、浜ちゃんも替わりばんこに、あくびを繰り返している。そうやって、二人の一日は、ゆっくりと始まる。









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         蜘蛛の巣に
           竿をとられて
                日陰干し


 毛布を竿に掛けようとして、うっかり竿に掛けられた蜘蛛の糸を1本切ってしまった。蜘蛛の巣を支える大事な縦糸の1本だったから、巣は半分を残して破れてしまった。残りの1本を切れば、巣は完全に破れて、主の居場所は、忽ちなくなるだろう。この寒空の下、朝早くから、お尻を振り振り、時間をかけて編み上げた巣を破いてしまうのは、忍びない。仕方なく、毛布をずらして、半分日の当たらない竿の端に干すことにした。
女郎蜘蛛も、こう寒くなっては、頻繁に巣を張り替える元気はない。獲物の虫も少なくなり、寒さに足もかじかんでくる。延ばしていた足がだんだんちぢこまり、巣から離れる日も、そう遠くはないだろう。









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         待ちかねて
            ついに飛び出す
                  入れ歯かな



 指に力が入らなくなってきた姉は、箸を握るのもぎこちなくなり、食べ物を口に運ぶのに、時間がかかる。
ある晩、カツオのタタキを口に入れようとして、もたついている間に、入れ歯の方が飛び出してきた。姉が思わず吹き出して言った。
「待ちきれんで、入れ歯の方が先に飛び出してきたが。」久しぶりに、二人して腹を抱えて笑いあった。
今のことをすぐに忘れてしまう姉だけれど、ユーモアのセンスはまだ健在らしい。









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フォト日記<村祭り>

2016/11/29 23:35
神社の杜を一周して、木洩れ日の中、今年も子供神輿の一行がやってきた。

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行列の先頭に立つのは、ふれ太鼓。その後に、巫女さんたちが続く。

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次にやってきたのは、赤鬼の一行。赤鬼を怖がって、逃げ回っていた幼い日、お面は昔のままだけれど、動きが荒々しかった当時と比べて、今の赤鬼さんはおとなしい。

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最後に、子供神輿が車に引かれてやってきた。担がれてやってくるのと違って、こっちもやっぱり威勢がない。

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神社の前で、一休み。頂いた飴玉を頬ばる白装束の少年たち。

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巫女を務める少女たちは、お神酒を注いで回るのが仕事。一年ぶりに見る彼女たちは、巫女姿も板につき,すっかりおせらしくなっている。

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そんな子供たちを見下ろすように、今年も皇帝ダリヤが大輪の花を咲かせていた。

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畑の縁では、ミカンと色を競うように、ツワブキの花が満開。

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今年最後の咲き納めの花なのか、それとも春に先駆けて咲いた花なのか、季節外れの菫の花が一株だけ、空き家の玄関先に花をつけていた。

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人が住まなくなって久しい家のトタン屋根に、今年も咲き初めの椿の花が、ピンクの花房を落としている。

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太鼓の音に誘われたのか、めったに外に出ない姉が、いつの間にか歩行器を押して、一人で坂を下りて来ていた。お神酒を頂き、神様に背中を押してもらって、なんとか坂も上れそうだ。

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フォト<表の顔と裏の顔>

2016/11/14 21:46

表の顔と裏の顔、二つの顔を持っているのは、どうやら人間だけではなさそうです。
表はいかつい顔をしていても、

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裏を返せば、こんなにかわいい笑顔をしていました。

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一見、不愛想な顔をしているエイの仲間も、

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でんぐり返れば、ご覧の通り、温泉にでも浸かったようなご機嫌な表情です。

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ひねくれて、いびつに育ったピーマンが、

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開いて見たら、真っ赤な蝶々に変身しました。

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フォト日記<浜ちゃんのガールフレンド>

2016/11/01 18:59
自分のことを半分人間だと思い込んでいる浜ちゃんのことだから、ガールフレンドに選んだのも、やはり人間の女の子でした。

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週末になるとやってくる彼女を待って、浜ちゃんは橋の上で、ドキドキしながら待ちぼうけ。

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「浜ちゃん、こんにちは。元気だった?」
優しく声をかけらると、ニャンとも言えないで、うつむくことしかできない浜ちゃんです。

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面と向かって、なでなでしてもらおうものなら、うっとりして、目など開けていられません。
母親としては、ちょっとやけますね。

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今日も、たった一輪だけ咲いた、季節外れのサツキの花の下で、鼻の下を長くしている浜ちゃんでした。

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随筆<草履隠しつーねんぼ>

2016/10/22 14:04


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 同居している姉の認知症が、この頃顕著に現れるようになった。90年前の、幼い日の記憶は昨日のことのように覚えているのに、1分前のことは、もう忘れている。薬を飲んですぐに、飲んだかどうか訊ねると、それももうあやふやで、チリ籠の中をゴソゴソやっては、薬の空き袋を探している。日付の入った証拠の袋が見つかると、急に強気になって、「ほら、ちゃんと飲んじょるじゃろ。自分のことじゃもん、忘れたりするもんか。」
 海馬は、新しい記憶ほど忘れるようになっているらしい。姉にとって、どんな出来事も、目の前を、ただ風のように通り過ぎていくだけ。人は忘れないからこそ、過去のことをいつまでも引きずって、思い煩うのだけれど、それを記憶にとどめず、かたっぱし忘れていったら、ストレスだって溜まりようがない。そのせいか、姉は記憶力がなくなるにつれて、かえって元気になってきたような気がする。
 しかし、元気になったのはいいけれど、いつからか昼夜逆転するようになって、困った行動も見せるようになった。夜中に一人起きだしては、台所でゴソゴソと何やらやっているのだ。
 ある朝、起きてみると、台所の中が綺麗に片付いて、棚に置いたボールやテーブルの上のものが、すっかりなくなっていた。探してみると、それらは、戸棚の中や流しの下など、見えない所に、隠すように仕舞われていた。姉に問いただすと、がけ崩れが心配だったからだという。確かにその日は、台風が沖を通り過ぎた後だったから、納得はしたものの、その行動は、毎晩のように繰り返されるようになった。朝起きると、姉が仕舞いこんだ道具を探しだし、炊事を始めるのが日課になった。どんなに言って聞かせても、万が一ということがあるからと言って、聞こうとしない。言い訳が通らなくなると、終いには、自分がしたのではないと言い出す始末。
 そんな姉に、私はだんだん腹が立ってきた。「これ以上、余計な仕事を増やさんでよ。」と言って、何かと辛く当たるようになった。些細なことですぐにイラつき、気持ちがささくれ立っていくのが、自分でもわかった。もしかして姉は、私を困らせるために、わざと嫌がらせをしているのはないか、そんな被害妄想さえ抱くようになっていた。
 そんなある日、「お姉さんは、あなたを手伝おうとしているだけではないの?」ある人が漏らした一言に、私は、はっとした。「そうか、姉は少しでも私の役に立とうと、以前してくれていたように、後片付けをしようとしていたんだ。でも、それをどうやってしていいのか、やり方がわからなくて、ただどこかに押し込んで、見えないようにすることしかできなかったんだ。」
 そう思った時、私の気持ちは、嘘のように軽くなった。心の靄が晴れたように、それまでとはまるで違う世界が見えてきた。受け止め方次第で、人の気持ちはこんなにも変わるのか。自分を苦しみに追いやることも、幸せな気持ちにすることも自分次第なんだ。そのことに気付いてから、私は、ようやく心の平安を取り戻すことが出来た。
 子供の頃、みんなでよく、草履隠し遊びをしたのを思い出した。自分の靴や下駄を片方ずつ並べて、順番に触れながら、こんな唄を歌う。
「草履隠しつーねんぼ。橋の下の子ネズミが、下駄をくわえてチュッチュッチュ。チュッチュク饅頭は誰が喰た。誰も食わないわしが喰た。」
 唄の最後に触れた靴が一足ずつなくなり、最後に残った靴の持ち主が鬼になる。鬼は、みんながめいめいに隠した草履を一足一足探してまわらなければならない、そんな他愛もない遊びだった。
 これからも、私と姉の草履隠し遊びは続くだろうけれど、子供の頃のように、なるべく愉しみながらやることにしよう。実際、どうしても見つからない鍋やケットルが、思いがけない所から、ひょっこり出てきたりすると、宝探しでもしているようで、けっこう面白い。
 鬼になるのは、いつでも私。でも、この鬼の角も、このごろ少しは丸くなったような気がするのだけれど、果たしていつまで続くことやら・・・・。



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フォト日記<台風が去って>

2016/09/24 23:52


台風16号が日向灘沖を通り過ぎた朝、向かいの溝には勢いよく谷の水が流れていた。

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雨台風だったので、風の被害は殆どなかったけれど、庭には風の置き土産の木の葉や木の実が散らばっていた。

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今年になって初めて鈴なりの実をつけた柿も、落ちた気配はない。これが、甘柿だったらなー。

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色づいたばかりの烏瓜の実も、無事だったらしい。

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柿の木の枝にかけていた足長蜂の巣も、葉っぱに守られて、被害はなさそうだ。

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女郎蜘蛛が網の破れをせっせと繕っている。蓄えの獲物も、風に飛ばされずに済んだようだ。

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玄関に台風を避けて、ミノムシとカタツムリのお客が来ていた。

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久しぶりに出した雨戸のあちこちに、ヤモリの卵の殻がくっついていた。桜の花びらのようなその殻は、足跡のようでもあり、なぜか2個づつ対になっている。

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バケツに溜まった雨水を、浜ちゃんがうまそうに飲んでいた。

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あくる日には、野分の水もすっかり干上がって、萎んでいたオシロイバナが綺麗に開いていた。

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フォト日記<残暑お見舞い>

2016/09/09 19:02

あまりの暑さに、なりふり構わず、夏ばて気味の浜ちゃんです。

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冷たい床がお気に入り。せっかく捕まえたトンボと遊ぶのもなんだかおっくうそうです。

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カンタロウミミズも、あまりの暑さに、水を求めて地上に出てきたものの、お日様に焼かれて、カぴかぴに干上がってしまいました。そんな日干しのミミズが、庭のあちこちにごろごろしています。

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蟷螂は、物干し竿の陰に隠れて、熱い日差しを避けています。

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同じ竿の上を、数匹のアリたちがゾロゾロ渡っていきました。

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軒先から下りてきたアリたちは、向かいの土手へ行くのに、地面まで下りて遠回りするより、竿のバイパスを渡る方が、はるかに近道だとわかっているようです。

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のどが渇いた浜ちゃんが、桶の水を飲みにやってきました。

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浜ちゃんは、桶に溜まった水より、流れる水が一番美味しいことを知っています。

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飲んでいると、向かいの藪の中で、聞きなれない鋭い鳴き声がしました。

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見上げると、見たこともない美しい羽根をもった小鳥が、椿の枝に止まっています。一瞬見せた背中の羽根は、空よりももっと鮮やかなブルーをしています。

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「へー、カワセミを見たのは、何十年ぶりじゃろかい。」
姉も見上げて、うれしそうです。
ほんのいっとき、暑さを忘れた出来事でした。

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フォト俳句<送り火>

2016/08/18 19:24
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          痩せ松の
            送り火消えて
                 月昇る
           
               
お盆過ぎの16日、暗くなるのを待って、庭先で送り火を焚く。空き缶の蓋にサザエの殻を載せ、痩せた松明に火をつけるが、火はなかなかてつかない。昔の松明は、樹脂の多い肥え松で、焚くとじりじりと音を立てて、よく燃えていた。この頃の安物の松明は、脂の少ない白っぽい幹で、しばらく燃えるとすぐに消えてしまう。
イライラしながら、ふと顔を上げると、いつの間にか、源氏山のてっぺんに、十五夜の月が昇っていた。
送り火の明かりが頼りなくても、これならなんとか、月が黄泉路を照らしてくれることだろう。  







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         送り火の
            見張りしてる
                 猫と月


送り火の番を、浜ちゃんと月に任せて、私は一足早くひきあげた。
庭の植え込みでは、早くもコオロギやクツワムシが鳴き始めている。








 
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フォト日記<夏来たる>

2016/08/01 14:32
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      繰り言に
         返事している  
               猫のしっぽ

老いの繰り言はきりがない。
それに応えていちいち揺れる猫のしっぽ
ぶつぶつ ゆらゆら ぶつぶつ ゆらゆら
窓の外ではクマゼミの繰り言が喧しい
わしは わしは わしは
今年もまた暑い夏がやってきた








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風が止んで、一瞬、水の面が鏡のように澄み渡る
葉を広げたばかりの若竹や、ボタンクサギの花が映る
花には蝶がやってくる
獲物を狙って蟷螂もくる
それを見ているデンデンとわたし



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フォト日記<梅雨の晴れ間に>

2016/07/16 14:18


梅雨の晴れ間を見て、住民票をもらいに、市役所に出かけた。
古い庁舎の横で、新しくできる新庁舎の工事が始まっていた。

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市役所の入り口で、ほうせん花の花が満開だった。
子供の頃、この花の種を指で触れて、パチンと弾かせるのが面白かった。花びらを摘んで、庭に埋め、その上からガラスの破片で蓋をし、かぶせた土を払って、時々眺めたりした。女の子ならではの遊びだった。

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駐車場の傍の桜の樹に、アブラゼミが止まっていた。
コンクリートで埋められた、こんな街の中、わずかに残った樹の下で、セミたちは健気に命を繋いでいる。

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桜の幹に、珍しくハートの形をした洞ができていた。

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帰り道、久しぶりに本谷まで足を延ばした。
しばらく来ない間に、田んぼでは、稲が穂を出している。
その傍に咲いていたのは、鬼百合の花。

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本谷川は、さすがに水量が増し、水は堰を越えて、勢いよく流れていた。

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橋の下の川面に、父が大好きだったヒオウギスイセンの花が映っている。

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川幅が狭くなった上流で、農婦が洗いものをしていた。数年前に見かけた時と同じように、その日も、川端にしゃがんで、汚れた農具を黙々と洗っていた。

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その傍に、お盆の墓参りには欠かせないソハギの花が、早々と咲いていた。

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帰り道、広域農道の途中にある大池で車を止めた。
満々と湛えた水面には、水草が繁茂し、小さな花がキラキラ光っていた。

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池の岸辺には、赤いカンナの花が咲き、葉の先にアカネトンボが止まっていた。

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フォト日記<梅雨の頃>

2016/06/30 00:04
連日の雨に、外で遊べない浜ちゃんは、毎日つまらなくて、空ばかり気にしています。

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この雨を一番喜んでいるのは、庭のアジサイの花。

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降りしきる雨の中、くちなしの花も萎れずに咲いています。

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雨のしずくが、グミの色に赤く染まって、滴り落ちている。

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カマキリの赤やんが、アジサイの葉っぱの陰で雨宿り。

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ミノムシはせっかく立派な蓑を持っているのに、縁の下で雨宿り。

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梅雨の頃に、紅葉して落ちる樹の葉が落ちそこなって、ぬれ落ち葉になっている。

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谷の水を貯めている桶の中には、ときどきボウフラが湧く。それを杓子で、汲み出す作業はけっこう楽しい。

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水をいっぱいに貯めた桶の中に、カタツムリがはっている。溺れるといけないと思って、慌てて杓子ですくおうとしたら、カタツムリが言った。
「これでも僕は巻貝の仲間だから、水の中でも平気だよ。だって、僕のご先祖様はずっと昔に、海や川から、やってきたんだもの。」

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桶の陰から、子ガニも顔を出して言いました。
「おいら達だって、海から来たんだぜ。」

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ぬれ落ち葉かと思っていたら、赤手蟹のお母さんでした。

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雨が上がると、さっそくヒヨドリがグミを食べにやってきました。

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シオカラトンボも飛び始めました。

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カタツムリは網戸を這って、どこへ出かけるつもりでしょう。

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お隣さんが、谷の水が流れ出した溝に、洗濯にやってきました。
こんな俄か仕立ての川が、あと一、二度流れたら、梅雨もすっかり明けることでしょう。

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